忖度(そんたく)。
公務員の世界では、議員先生や上級幹部の顔色を伺うという意味です。
議員の思い付きで方針が180度変わる、上級幹部の依頼は何を差し置いても最優先。
上の指示に従うのは当然ですが、明らかに国民の役に立たない仕事が多すぎます。
そこで思うのは、
内向型の公務員が増えれば、忖度もなくなるのでは?
ということ。
なぜなら、内向型は出世に興味がなく、意味のない業務が嫌いで、人間関係がドライ なため忖度が生まれにくいからです。
出世に興味がない
忖度の一番の原因は議員に好かれることが出世の条件だからです。
キャリア官僚は議員の関心事項や趣味まで把握し常に議員の求めること、喜ぶことを考えています。議員から評価されるとプッシュを受けて出世できます。
ノンキャリの場合はこういうキャリア官僚に好かれれば出世できます。
私の上司世代はいつもキャリア官僚の顔色を伺い飲み会でお世辞を言っていて辟易します。
競争を好む外向型は出世のため好んで忖度しますが、内向型は出世に興味がないのでやりません。
残念ながら優秀な内向型官僚は忖度政治に耐えられず辞めてしまう人が多いですが、
意味のない仕事はしたくない
忖度ゆえに発生する仕事はほぼ意味のない仕事です。
例えば、議員や幹部への説明資料はフォントや文字の大きさまで決められ、誤字脱字は絶対許されません。
内輪の資料なのだから内容さえ分かればいいと思いますが、キャリア官僚は体裁に異様にこだわります。資料作成は本当に面倒な作業です。
結局、キャリア官僚が議員に気に入られたいがゆえの仕事です。
内向型はアピール目的の意味のない業務はやりたくないので、忖度のための業務は確実に減ると思います。
人間関係がドライ
忖度は懇意の議員からの頼みを断れないキャリア官僚の心情から生まれます。キャリアとノンキャリの関係でも同じです。
議員と仲良くなるのも仕事のうちと思いますが、それゆえ議員からよく分からない仕事の依頼をもらってきます(それをこなすのは私たち下っ端ノンキャリです)。
内向型は仕事の人間関係がドライなため議員と過度に仲良くなることはないので、余計な仕事も増えないと思います。
以上、内向型公務員が増えれば忖度政治もなくなると思う理由でした。
「忖度」は簡単になくならないと思いますが、忖度政治をなくすために私のような内向型公務員が必要なんだと思って、モチベーションにしていこうと思います。